いざ離婚の話し合いをしようと思っていろいろ調べると、
いまいち分からない用語が出てくることがありますよね?
そんな中に、
・離婚協議書
・公正証書
というものがあります。
いったいどんな書類なのか?
離婚にかならず必要なものなのか?
どうやって作成するのか?
法律的なことが絡んでくると、やたらと難しい専門用語が出てきます。
今回はこれらを難しい言葉をできるだけ使わずに、
分かりやすくお伝えします。
「離婚協議書」「公正証書」ってなに?
離婚についてググるとだいたい出てくるこの書類の名前。
じつはこの2つは、離婚手続きをする際に作成するものですが、
必ずしも作成しなければいけないものではありません。
あくまで離婚する夫婦が「必要」と判断したら作成すれば良いのです。
離婚協議書
必ずしも必要ではないけども、離婚後に、
「約束を守ってくれない!」
「そんな約束はしてない!」
「こんなはずじゃなかった」
といったトラブルをなくすためにも、できるだけ作成しておいたほうが良いです。
以下が離婚協議書の特徴です。
メリット
・夫婦が自分たちで作成できる
・自分たちで作れば無料
・基本的に書き方は自由
離婚協議書を作成するのは、夫婦のどちらか、
もしくは夫婦二人で作れるんです。
公正証書のように費用もかかりません。
しいて言えば紙のお金くらいです(^^;
書式もとくに決まりはありません。
縦書きでも横書きでもOKです。
もし、一般的な書式が欲しければ、「離婚協議書 ダウンロード」とかで検索すれば出てきますよ。
一般的な記入項目
①夫婦が離婚に合意したこと
離婚は一方的にはできません。
必ずお互いが合意していないと成立しません。
②親権者(未成年の子供を引き取って育てる親)をどちらにするか
離婚するためには、親権者を夫婦のどちらかに決めないといけません。
離婚届にも、親権者の名前を記入する欄があり、
記入していないと受理されません。
③養育費の支払い
親権者ではない人が、親権者に対して支払うのが養育費です。
その養育費を、
いつ支払うのか?(毎月か1年分まとめてか)
いくら支払うのか?
どのように支払うのか?(現金払いか?振り込みか?等)
いつまで支払うのか?
こういった事を決めます。
④子供との面会交流権の取り決め
子供と離れて暮らす親(親権者じゃない親)に与えられた権利です。
これは同時に子供の権利でもあります。
どれくらいの頻度で会うか?(月1回、年10回など)
1回の面会で何時間くらいまで会うか?
どのように面会するか?(親権者が連れていくなど)
ただ面会交流については、離婚協議書で細かく記入しても、
その都度それぞれが急用ができたりすることもあるので、
あまり細かく取り決めをしなくて良いと思います。
あくまで夫婦で話し合って決めて下さい。
⑤慰謝料
どちらがどちらに、いくら支払うのかを決めます。
慰謝料については、必ず支払うものではありません。
基本的に有責行為をした側が、された側に支払うお金です。
有責行為とは、不倫やDVなど、離婚の原因を作った行為の事です。
とくに有責行為もなく、性格の不一致など、
お互いが納得して離婚する場合は、
慰謝料を払うケースはほとんどありません。
⑥財産分与
財産分与とは、結婚してから夫婦で築いた財産を、
離婚する際に分けることです。
お互いの貯金
有価証券
マイホーム
車
etc…
貯金のように簡単に分けられる財産もあれば、
マイホームや車のように分割できない財産もあります。
これらをどのように分けるかを、話し合って決めます。
デメリット
・強制執行力がない
離婚協議書は、離婚の契約書とも言うべき正式な文書です。
しかし離婚協議書には、法律で強制執行させる力がありません。
つまり、養育費の未払いが続いていたとして、
離婚協議書を証明書として裁判所に提出しても、
相手の口座を差し押える強制力はないのです。
まず、裁判所の手続きをしてから裁判の判決を待たないといけません。
その判決が出るまで数ヶ月~半年かかることもあります。
公正証書
公正証書は、離婚協議書と同様、離婚する際に作成する文書ですが、
公正証書はその効力が、離婚協議書より格段に強いのです。
以下が公正証書の特徴です。
メリット
・作成した時点で強制執行力が備わっている
離婚協議書が裁判所の判決が出てからでないと強制力がないのに比べて、
公正証書は、作成された時点で、法的強制力が備わっているのです。
つまり、公正証書には裁判所のお墨付きがすでに付いている為、
公正証書を裁判所に提出さえすれば、
即時に相手の給与や口座を差し押えることができるのです。
これは、養育費が途中から未払いになって、
相手と連絡が取れなくなった場合などに力を発揮します。
デメリット
・作成は公証人でなければできない
・費用がかかる
・作成に時間がかかる
公正証書は公的な文書のため、決められた公証人でなければ作成できません。
また、公正証書の作成には費用がかかります。
どれくらいの費用かは、公正証書の内容の金額によって変わります。
公正証書の内容には、養育費、慰謝料、財産分与などの取り決めが書いてありますが、
そのトータルの金額はまちまちです。
例えば、トータルの金額が
100万円以下の場合は5000円、
200万円~500万円の場合は11000円、
1000万円~3000万円の場合は23000円、
といった具合に、金額が高くなればなるほど、
手数料も高くなるのです。
公正証書の作成時間についても、内容によってかかる時間が変わります。
早ければ数日、遅いと2~3週間かかる場合もあります。
まとめ
「離婚協議書」「公正証書」ともにメリット、デメリットがありますが、
きちんと取り決めをして離婚した後も安心できるのは、
やはり公正証書を作ることです。
このような書類を作らずに、万一離婚後に裁判になっても、
弁護士費用など、余計に費用がかかってしまうかもしれません。
相手のことを信用できるかにもよりますが、
離婚すれば、夫婦は他人になります。
いざというときの為に、作成しておくと良いでしょう。
円満に離婚するなら子供の養育費はいくらにする?