子供を持つ夫婦が離婚する時に直面する問題の1つに、どちらが親権を持つか?という事があります。
お互いに愛情を持って育ててきた子供。
子供からしてみても、父親、母親両方に愛されたいと思うでしょう。
そのような状態で円満に手続きを進めるには、どうしたら良いでしょうか?
ここでは、親権で揉めることなく離婚するための方法をお伝えしていきます。
親の離婚は子供にとっても人生の分岐点になる
離婚は親だけの問題ではない
子供のいない夫婦にとっては離婚は2人だけの問題で片付きますが、子供がいる夫婦はそうもいきませんね。
「子供にとって何がいちばん良い選択か?」を常に考えながら離婚の手続きを進めないといけません。
離婚を決意したばかりの時は、自分の事で精一杯となってしまい、子供の事をおろそかに考えてしまう場合もありますが、
まずは落ち着いて離婚が子供にどういう影響を与えるかを真剣に考えましょう。
子供の生活環境も大きく変わる
親が離婚をすることで物理的に生活が変わってしまう事が何点かあります。
- 名字が変わる
- 引っ越しをする
- 転校する
- 今まで家に居た親がいなくなる
- 友達から言われる場合がある
- 母親が仕事を始める
もちろん、上記のすべてが必ずしも変わるわけではありませんけど、何点かは変わってしまうでしょう。
自分の感情だけでなく、子供にとって一番幸せになれる方法を考える
自分が子供を育てたいのは親としてあたりまえ
「自分が子供を育てる!」親であれば誰でもそう思うでしょう。
(最近はネグレクトも問題になってますが・・)
離婚が決まったとき、ほとんどの親が自分が引き取りたいと思います。
- 日々子供の成長を見届けたい
- 毎日子供と会話したい
- 毎晩、子供の寝顔を見たい
でもちょっと待って。
自分がそうであれば離婚相手も同じことを思うはず。
ところが子供を引き取れるのは片方の親だけ。
ここで大切なのは、自分本位で考えるのではなく、
どうすれば子供が幸せになれるか?
という1点です。
子供の教育に関われるか?
子育てといっても、ただ食事を与えるだけではありません。
- 忘れ物がないか毎朝チェック
- 学校の宿題を見てあげる
- 学校の行事を把握し、準備を手伝ってあげる(運動会、遠足など)
- PTAなどの参加
- 塾や習い事の送迎
- 友達の親との交流
- 子供の学資保険等を考える
など、多岐にわたって意外とやる事多いんです。
経済的にやっていけるか?
子育てには当然お金がかかります。
小学生の時は比較的学費を安く押さえられますが
中学生、高校生になると部活も始まり、出費が増えます。
大学生になれば、本人もアルバイトができるようになりますが、それでも親が学費を出す事が多いでしょう。
経済的な問題でいえば、父親側はおそらく大丈夫でしょう。
問題は母親側です。
収入の見込める人であればいいのですが
ほとんどの母親は、子供を妊娠してから今まで、子育てと家事に専念していたと思います。
その母親が離婚して急に仕事を始めたからといって
今まで旦那さんが稼いでいた金額と同じ給料を稼ぐのは
なかなか難しいところです。
ただ、母子家庭の場合は、国から生活保護を受ける事ができますので、
贅沢しなければ、なんとか生活することは出来ます。
(ただし、車を持てないなど、さまざまな制約があります)
仕事と家事と育児をすべてできるか?
仕事をしながら家事と育児をしていくのは、本当に骨が折れることです。
離婚を決意したときは、「よしっ!すべて自分がやってやる!」
と勢いで思うのですが、
いざやると、思ってたよりやる事が多く、「まだ終わんない!」「いつになったら寝れんだ~!」
と嘆きたくなる事も多いです。
例えば・・・
- 夕飯を作る
- 食器洗い
- 子供を風呂に入れる
- 明日の学校の準備をチェック
- 寝かしつけ(小さい子供の場合)
- 洗濯(乾いたあと畳む)
- 朝食作り
- 子供の見送り
- ゴミ出し
- 出勤
家庭のやり方によってまちまちですが、
こんな事を毎日しないといけません。
夫婦が共に生活していれば、分担できますが、一人になると急に負担が多くなってしまいます。
こういう事はどちらかといえば、女性は慣れてますが
男性は初めは分からない事も多く大変ですね。
育児にしっかり関われるほうが親権を持つべき
なんだかんだ言っても、やはり一番大切なのは、育児にしっかり関わることです。
家事は手抜きができますが、育児は子供の将来が関わってきますからそうもいきません。
離婚してどちらが親権を持つか決めるときは、
お互いの状況を考えながら、落ち着いてじっくり話し合うことです。
どうしても決まらない時は離婚調停
円満に離婚するなら基本的に協議離婚がオススメですが、
話し合いが平行線をたどってしまうようなら
最後は裁判に委ねるしかありません。
幼少期の子供は圧倒的に母親が親権者
父親には少し酷な話ですが、日本の裁判の場合、未成年(特に幼少期)の子供は母親が育てるのが望ましいという考え方があります。
幼少期というのは、おおむね10歳くらいまでです。
子供は小さい時から母親と過ごす時間が長く、そのぶん愛情をたくさん受けています。
そして、離婚後の子供の生活環境は、
できるだけ変えないようにしたほうが良い為
長く一緒にいた母親に親権を渡すのが妥当という考えです。
司法統計では、9割が母親、1割が父親に親権が渡っています。
裁判所は何を考慮して親権者を決める?
ほとんどが母親に親権が渡る離婚調停ですが、
父親に親権が渡る場合もあります。
裁判所は何を基準に親権者を決めているのでしょうか?
- 親の経済状況
子育てにはお金がかかります。
親権を取りたければ子供を育てられるだけの経済基盤を持たなくてはいけません。
ただし、母親の場合は母子家庭の為の生活保護という制度があるので、
国から一定の援助が受けられます。
- 心身の健康状態
親権を持つ親が病気がち、または精神疾患を持っている場合、
まともに育児ができない可能性が高く、親権を取れません。
- DVの可能性
子供に対してはもちろんですが、配偶者にも暴力を振るう可能性がないか調べます。
- 育児に携われる時間は取れるか?
仕事をしながら家事をこなし、そのうえで育児を行うのは大変な作業です。
離婚後にそれをしっかり行えるかどうかが大事です。
- 子供の意思
幼少期の子供には当てはまりませんが、
ある程度大きくなった子供には、意思を確認する事もあります。
- どちらが子供が幸せになれるか?
なんといっても子供が幸せになることが目的です。
さまざまな状況を考慮し、父親と母親のどちらが育てたほうが子供が幸せに暮らせるかを
最終的に判断します。
ちなみに、離婚原因と親権者を決める基準とは別問題です。
例えば片方の親の不倫が原因で離婚したとしても、
それで親権が取れないということはありません。
身上看護権と財産管理権
親権には、「身上看護権」と「財産管理権」の2つの権利があります。
- 身上看護権
実際に子供と一緒に暮らし、育児に携わる権利
- 財産管理権
子供の財産などを管理する権利
または子供の法律に関する意思決定ができる。
このどちらか一方を父親に、もう一方を母親が持つこともできます。
しかし、子供に何かあるたびに一方に連絡して確認作業をしなければならず
かなりの手間がかかりますので、一般的には2つを親権として
どちらか一方の親が持つ場合が多いです。
子供と離れていても愛情は注げる
子供と離ればなれになれば、当然寂しいでしょう。
しかし今はさまざまな連絡手段もあります。
愛情表現はいくらでも方法があるんです。
面会中は精一杯コミュニケーションをとる
普段会えないぶん、面会する時は精一杯コミュニケーションしましょう。
誕生日、クリスマス、こどもの日など、さまざまな記念日にサプライズを企画するのもいいですね。
SNSを活用
今は昔と違い、つながりを持てるツールがたくさんあります。
- LINE
最近はZoomなどのオンラインでビデオ通話できるアプリもあります
こういった繋がるツールを持っておけば
何かあった時も安心ですね。
親権者の教育方針は守ること
面会中に気を付ける事は、親権者との約束や、教育方針を守るという点です。
法律上、相手に親権が渡った以上、相手の子育てのやり方に沿った行動を取ることが望ましいです。
嬉しさのあまり、高い物を買ってあげたり、夜遅くまで遊んだりしてはいけません。
養育費はきちんと払う
あたりまえの事ですが、決められた養育費はしっかり払ってあげましょう。
じつは、離婚した夫婦の6~7割は養育費が支払われていないというのが
実情です。
養育費がもらえなければ、別れた相手が困るばかりか、
子供にしっかりとした教育が受けられなくなる可能性が高くなります。
本当に子供に愛情があるなら、養育費の支払いは最低限のルールです。
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